Vol. 1

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自らのホームページを立ち上げて以来4年半、初めて正式に御挨拶させていただきます。

ご覧下さって、ありがとうございます。
臼庭潤です。

今迄、皆様に何もメッセージをお伝え出来なかった僕が、なぜこのタイミングでこのような自己表現の場を設けさせていただいたかと申しますと、今迄眠っていた自分の何かが、ここ最近、突然目を醒したような気分になったからです。

僕が、大学に通いながらこの音楽の世界に飛び込んでから、間もなく20年が過ぎようとしています。あらためて「本当に恵まれた環境でサックスを吹いて来れたなぁ」と、つくづく実感すると同時に、今迄出逢えたすべての方々に心から感謝の気持ちで一杯です。

以前は、「自分は自由気ままに人生を過ごしている人間だ」と思っていたのですが、案外そうでもなかった様です。

2年程前のある時から、体がなかなか思う様に言う事をきかなくなり始め、何度も病院で検査を受けたのですが、これといった原因は一向に見つからず、日を追う毎に体調は悪化の道を辿りました。

原因はストレスによる「パニック障害」という病気でした。
この病気は、思いのほか手強く、脳の合図が体にうまく伝達されない障害に陥りますので、人によってケースは異なるそうですが、僕の場合は「うつ」でした。

「パニック障害」は、医学的に、近年明らかにされつつある病気で、まだまだ解明されていない部分が多いのだそうですが、ある日、幸いな事にこの病気の分析に明るい内科の先生に巡り会う事が出来ました。

先生の「あなた、今何か悩み事はありますか?」との質問に、最初は「あるといえばあるのかな・・・」といった程度の認識でしたが、診察が進むにつれ、「恐らく『パニック障害』から来ているうつ病の可能性がありますよ」と診断されました。

「自分に限ってうつ病にかかるはずなど絶対に無い」と返答した結果、「自分で認められない現状も含めて典型的なうつ病です。半年から1年は休業しなさい」との宣告を受けました。

当初全く自覚出来ませんでしたが、その直後、僕の体は、先生に言われた通り何も自分でコントロール出来ない「うつ」状態に入りました。

お客様をはじめ、仕事関係の多くの方々に御迷惑をお掛けし、家族にも重荷を背負わせてしまいましたが、周囲の環境に助けられ、奇跡的に2ヶ月で復帰致しました。

しかし、これはドクターストップを振り切っての事でした。

案の定現実は厳しく、体力的に仕事を制限せざるを得ませんでした。

一日でも早い回復を目指し、地道に自己の生活リズムを整えることで、その成果がようやく今年に入って実感出来るようになりました。(何度か失敗を繰り返しましたが)

ふと振り返ると37歳。
当時10代で音楽の世界に飛び込んだ世間知らずの僕を、厳しくも暖かく受け入れて下さった先輩方の年令です。

「そうだ、2度目のデビューをしよう!有能な若手達と共に、もう一度新たなスタートを切ろう!!」

臆病になっていた自分を捨てて、飾らずに生きる決心が着きました。

『臼庭潤 & YOUNG RABBITS』
思いを込めて結成致しました。

10年間の『臼庭潤 JAZZ ROOTS』は2枚のアルバムを発表する事が出来ました。
解散した訳ではありません。

常に自分を素直に表現したいと考えております。

大変恐縮ですが皆様への御挨拶が遅くなりました。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

臼庭潤

2006.4.8

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