皆様お元気ですか。
僕は今、新たな自己のグループ「臼庭潤&YOUNG RABBTIS」の本格始動に向けて、慌ただしくも充実した日々を送っております。
若手ミュージシャン達とのコミュニケーションから学ぶべき点は非常に多く、前回申し上げた「2度目のデビュー」を体で感じております。
先日、16年振りに、ブランフォード・マルサリス(sax)と再会し、あらためて親交を、より深める機会に恵まれました。
ブランフォードとは、1990年に、僕が21歳、彼が29歳で出会い、音楽雑誌のインタビューで対談致しました。
その際、彼は新宿厚生年金ホールにおけるコンサート(ケニー・カークランド(p),ロバート・ハースト(b),ジェフ・テイン・ワッツ(ds)からなるカルテット)への飛び入り参加というチャンスを僕に与えてくれました。
当時の僕は、既にプロミュージシャンとしての活動を行っておりましたが、同時に、中央大学に通う学生でもありました。
まだまだ「ジャズ」というものに対する認識は浅く、サックスプレイヤーとしての技量も未熟な僕に、彼はかけがえのない財産を、言葉を通じてはもちろん、「体験させる事」によってプレゼントしてくれました。
その時点ですべてを理解することは、当然不可能でしたが、僕の内面的な何かに、大きな刺激を与えてくれました。
後々この出来事は、僕が音楽を続けていく上で、節目節目で非常に大きな役割を果たしてくれることになったのです。
今回は、石森管楽器にて行われた、彼のクリニックにも同席致しました。
彼のアドバイスは16年前に僕に伝えてくれたそれと、全く変わっていませんでした。
「俺の思っている事と同じだな!俺の考えは正しかった!」
これがクリニック参加した直後、僕の口をついて出てきた言葉でした。
しかし、よくよく考えてみれば、実際僕をそういう考えに導いてくれたのは、あの時のブランフォードその人なのですよね。
自称「2度目のデビュー」のこのタイミングで、再び彼と時間を共有出来たという事は、大変幸せなことです。
僕のサウンドは、カテゴリーにとらわれず、一人でも多くの方々に聴いて頂きたいと願っております。
音楽はジャンルを飛び越えて存在することによって、より伝わりやすくなるものだと信じております。
皆様、「臼庭潤&YOUNG RABBTIS」をどうか暖かい目で見守って下さい。
宜しくお願い致します。
2006年5月8日
本日38歳を迎えた、臼庭潤